ランダムネットワークコーディングを用いたデータシステムは、 データ保護における堅牢性とデータ保存容量における高効率性の両者を実現するものの、データのエンコード(符号化)及びデコード(非符号化)にかかる時間の長さとエンコードされたデータへのアクセスの難しさという問題点のために、実用化が難しい技術でした。
当社開発のRNCDDSは、それらの問題を解決するためにまずガロア体における高速演算ライブラリを開発し、クラウドで主流のデータシステムである Hadoop や GlusterFS よりも少ないデータ保存量で同等の堅牢さを実現するだけでなく、それらよりも高速なデータのアップロード、ダウンロードを可能にしました。
また、エンコードされたデータへのアクセスを容易にするために新たなJavaScript プログラムを開発し、エンコードされた動画データを直接ウェブブラウザ上で HTML5 の機能を用いて再生することに成功し、結果的に映像・音楽ストリーミングサービスにおけるデータセンター内でのデータの保存量を劇的に減少させることを可能にしました。
RNCDDS - RANDOM NETWORK CODED DISTRIBUTED DATA SYSTEM
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gf-nishida-16はシンプルかつ高速な16bitガロア体演算ライブラリで、BSDライセンスの下にソースコードが公開されています。gf-nishida-16は演算速度において他のオープンソースなガロア体演算ライブラリを凌ぎ、RNCDDSのコアとしてRNCDDSの高速化に大きく貢献しています。詳細は技術報告書「gf-nishida-16: シンプルかつ高速なGF(216)演算ライブラリ」をご覧下さい。